「みんなと同じようにできない」「どれだけ頑張っても評価されない」

社会人になったばかりの頃、僕は常にそんな焦燥感と絶望感を抱えていました。僕にはADHD(注意欠如・多動症)の特性があります。特に「衝動性」が強く、それが原因で新卒で入社した会社では全くと言っていいほど正当な評価を得られませんでした。

しかし、現在僕は独立し、経営者として自分の会社を回しています。あんなに社会不適合者だと思っていた僕が、なぜ経営者になれたのか。

今回は、ADHDの僕がどのようにして「衝動性」という特性を最大の武器に変え、今のキャリアを築いたのか、そのリアルなストーリーをお話しします。

📝 目次

1. 理想と現実のギャップ:新卒時代の挫折

オフィス風景

大学を卒業し、希望に胸を膨らませて入社したIT企業。しかし、そこでの生活は僕にとって地獄の始まりでした。

ADHDの特性からか、ルーティンワークや細かい事務作業をすることが極端に苦手だったのです。 上司からの指摘に対して素直に認めることができず、上司からは「空気が読めない」「頭が悪い」と叱責される毎日でした。

特に私に対しては、内容云々ではなく資料についての指摘が多く、大学のプレゼンで評価されていたはずの資料作りで上司の好みという理由だけで多くの指摘が入ったことが許せなかったのです。

自分としては会社の売上に貢献できる提案をしているつもりでも、組織のルールや順序を無視した僕の行動は、単なる「和を乱す行為」としてしか受け取られませんでした。

2. 正当に評価されない日々:見えない壁との戦い

入社して1年が経つ頃には、同期が次々と昇格していく中、僕だけが取り残されていました。 上司のご機嫌取りが苦手な私はもちろん正当な評価が下されることがありません。周りより技術的には1歩リードしているものの昇格はできませんでした。

💡 ポイント:評価基準のズレ
日本の伝統的な企業文化では、「突出したアイデア」よりも「ミスなく協調性を持って働くこと」が評価される傾向にあります。これはADHDの特性とは真っ向から対立する環境でした。

どれだけ革新的な企画を出しても、日報の提出遅れや経費精算のミス、上司へのマジレスといった「減点」ばかりが注目され、総合的な評価は常に最低ランク。「この会社に僕の居場所はない」と、毎日トイレの個室で食事をしていたのを今でも鮮明に覚えています。

3. ADHDの特性「衝動性」が運命を変えた

行動する力

転機が訪れたのは、入社3年目の春です。ある日、またしても理不尽な指摘を受けたレビューの直後、上司の机の上に退職届を叩きつけていました。

何も次を決めていない状態での退職。普通の人からすれば「無謀」で「計画性がない」愚かな行動です。しかし、この**ADHD特有の「衝動性」**こそが、僕の運命を大きく変えることになります。

退職した翌日、僕は衝動的に「自分で会社を創ろう」と決意しました。組織のルールに縛られて息苦しいなら、自分がルールを決める側に回ればいい。そう考えたのです。

思い立ったら即行動。その日のうちにドメインを取得し、Webサイトを立ち上げ、フリーランスとしての活動を開始しました。この「異常なまでの行動スピード」は、会社員時代には怒られる原因だった衝動性が、ビジネスの場において「圧倒的な実行力」という強力な武器に反転した瞬間でした。

4. 経営者という生き方:弱みを強みに変えて

ビジネスミーティング

現在、僕は小さな会社の経営者として働いています。もちろん、ADHDの特性が消えたわけではありません。事務作業は相変わらず苦手ですし、スケジュール管理も得意ではありません。

しかし、経営者となった今は**「自分の苦手なことは、それが得意な人に任せる」**ことができます。

  • 経費計算や書類作成は税理士やアシスタントに外注
  • 僕は「新規事業の立ち上げ」や「アイデアの創出」など、得意な過集中を活かせる分野に特化

このように環境を最適化したことで、かつての「無能な社員」は「スピード感のある経営者」としてクライアントから評価されるようになりました。

Q. 起業にリスクは感じなかったのですか?

A. 正直、リスクを計算する前に「動いてしまっていた」のが事実です。ADHDの衝動性がリスクへの恐怖を麻痺させてくれたおかげで、結果的に最短ルートで独立できたと思っています。

5. まとめ:自分の居場所は自分で作れる

会社員として正当に評価されず、毎日自分を責め続けている人がいるなら、僕はこう伝えたいです。

「あなたが悪いのではなく、環境が合っていないだけかもしれない」

ADHDの特性である「衝動性」や「過集中」は、枠に押し込められると大きなマイナスになりますが、自らが先頭に立つビジネスの世界では、他者にはない**「突破力」**という最強の武器になります。

既存のシステムで評価されないのなら、自分の強みが100%活きる居場所を自分で作ってしまえばいい。新卒で絶望した僕が経営者になれたのは、自分の特性を否定せず、受け入れて環境を変えたからに他なりません。

もし、かつての僕と同じように悩んでいる方がいれば、この記事が少しでも「次の一歩」を踏み出すための背中を押すきっかけになれば嬉しいです。